センター大学 国際文化学科3年 松尾歩 <3号 2023年1~2月>

1. 初めに

留学生活はもうすぐ7カ月目。留学生活が刻一刻と終わりに向かっていくにつれて、まだアメリカで頑張りたいという気持ちと、もうすぐ日本に帰ることができるという安心感があり、複雑な心境です。春学期の中盤に差し掛かろうとしており、あわただしい日々が続いていますが、秋学期と比べ、精神的な落ち着きは手に入れることができているのではないかと思います。今回は私が受講したCenter Termの授業についてと、現在受講している春学期の4つの講義についての紹介をしようと思います。

2. Center Term後半

私は英語の歴史の授業を取っていました。この授業は前回紹介した通り、英語の歴史・変遷について学ぶ授業です。教科書を読んで授業に参加するスタイルの授業です。多くの課題はエッセイでしたが、中間テストのようなものもありました。教科書を読む・理解するという過程にとても時間がかかるため苦労しましたが、授業自体は聞いていて発見が多く、とても楽しいものでした。教授はとても饒舌で、学生を引き込む能力に長けている方です。質問もしやすいため私は授業に関係のないことまで聞いていました。この授業で私が苦労したことの一つとして、提出物のフォーマットがあります。私が日本で提出物を出す際はそこまで気にしなかったのですが、アメリカの大学ではフォーマットに関する決まりごとが日本よりもはっきりしており、具体的には、APAスタイルやMLAスタイルなどの文書スタイルがあり、それらのルールに則った書き方をしなければなりません。私は、秋学期ではAPAスタイルのみ使用していたため、それに慣れすぎて新たなスタイルを使う際に頭の中が混乱しました。特に引用や参考文献を書く際は日本語でさえ引用方法があやふやなことがあったため、英語で書くとなるととても不安になりました。

映画鑑賞の様子
写真1:ルームメイトと映画を見ました

卒論は英語で書かなければならないのでしっかり覚えておくと将来的に役立つのではないかと思います。

3. Spring Term 開始

次に、春学期に私が受講する授業について紹介しようと思います。以下の4つが私の受講するものです。Anthropology 110b, Chinese 120, Educational Psychology 228, Social Structure 120。これらの授業はどれも教科書や文献を読むもので、リーディング、読解が予習や課題のほとんどを占めます。気を抜くと予習や課題が追い付かなくなる可能性があります。私がこれらの授業を選んだ理由は、無駄な考え事を減らせるからです。将来の不安や心配事、過去の出来事、後悔などは人間ならば時に考えるものですが、私は特にそういったことを時間があれば考えてしまう人間です。しかしそういった特徴は、今を一生懸命生きる、時間を有効に使うという点で足かせでしかなく、前進するといった意味でも予習と課題に追われる日々を送ってみようという思いに至りました。英語のレベルも少しは上がってくれるとありがたいです。ここからは各授業に関して少しずつ説明しようと思います。

新しい寮 Northside
写真2:新しい寮 Northside

まず、ANT110は人類学の授業です。基本的な人類学の考え方や用語の意味などを学んでいます。人間、文化・伝統、結婚、姓名、言語など幅が広い科目であると感じます。教授はとてもやさしい方ですが、論理的な面も強く、専門用語も相まって説明がとても難しく聞こえます。私が現在している課題はセンター大学での自分の「場所」はどこなのか、という課題です。自分の「場所」と聞かれると皆さんはどこと答えるでしょうか。その「場所」を選ぶ際の理由や意味などにどんなものがあるのかを追求する課題です。この課題はペアになって行うもので、実際にインタビューをして内容を文字に起こしたり、ペアを観察したり、人類学者になったつもりで取り組んでいます。

次に、CHI120は中国語の授業です。秋学期にも中国語を取っており、この授業はその続きです。新たな文法が次々と増えていき難しくなる一方ですが、楽しく授業を受けることができるのでお勧めの授業の一つです。やはり英語で外国語を学ぶということはすごく良い経験だと思うため、特に教職課程を履修している人や日本語教育に興味がある人は中国語に限らず、ほかの言語を選択してみると役立つと思います。

次に、EDU228は教育心理学の授業です。この授業では主に子どもの認知機能の発達について学習しています。個人的にこの授業が一番負担が大きく、難しいです。私は教授のオフィスアワーを上手く活用しながら、わからないところは聞くようにしています。またこの授業では、実際にアメリカの学校を訪問して先生や生徒の観察をします。私はBoyle County Middle School (BCMS)という日本で中学校に当たるミドルスクールを訪問・観察させて貰っています。日本の中学校とは大きく違う点がたくさんあり、驚くばかりですが、すごく貴重な経験をさせてもらっていると思います。

Boyle County Middle School
写真3: Boyle County Middle School

そして最後にSOC120は社会構造についての授業です。秋学期に同じ教授の異なる授業を受講しており、授業外でもお世話になっていて、お気に入りの教授の授業を取ることにしました。ただし毎授業、30から40ページのリーディングと300語以上のエッセイが待っているため、人によって好みが分かれる授業ですが、きっと将来役に立つと思います。具体的な内容としては、アメリカでは人種・階級・性別(ジェンダー)が社会において重要な要素で、それらの構造化された差別や問題がどういうふうに人々に働きかけているのかを学んでいます。

4. 日々の生活

前回と比べて個人的に変わったことと言えば、寮の移動がありました。私はもともとPearlという寮で生活をしていましたが、ルームメイトの事情でNorthsideという寮に移動することになりました。これまでに2人のルームメイトと一緒に暮らしてきましたが、2人ともとても良い人でお別れが少し寂しいです。新たに移った寮は授業を受ける時も、ご飯を食べに行くの時も少し遠い場所に位置しており、とても不便です。ただ、外観はどの寮よりもきれいで、勉強用の部屋があるところはとても気に入っています。

天気に関しては、気温が日によって差があり、暖かい日もあれば寒い日もあるので、天気予報をいつもチェックするようにしています。また、天候も秋に比べると、風の強い日が多く、頻繁に崩れている印象です。悪天候の影響で私が住んでいる寮では停電が起き、一晩だけですが電気のない生活をしました。一方で、悪天候が多い中、晴れた日にはきれいな青空を見ることができるため、心が和らぎます。

新しい寮 Northside
写真4:Millennium Parkに行きました

5. 最後に

留学では大変なことがたくさんある一方で、友達との会話や食事はとても楽しいものです。昨年県大に交換留学生として留学していた学生たちにも会うことができ、仲を深めることができました。さらに、来年県大に留学するという学生たちとの交流もあり、今後が楽しみです。これから留学に挑戦したいという人は県大にいるうちからセンター大学の学生と交流することも可能だと思うので、その機会を逃さず、いろいろなことを聞いてみるとよいかと思います。終わりに、私がここで生活ができるのは残り2カ月と少しなので、卒論のアンケートなど授業と並行して様々なことに取り組んでいきたいと考えています。忙しい日々が続いていますが、少しでも多くの経験が力に代わるよう、また無駄にならないように頑張りたいと思います。